
2020年の時間外労働上限規制の猶予期間が終わり、新たな労働時間規制が始まるのが2024年4月1日となっており、いよいよその日が近づいてきました。ご存じのように時間外労働の上限が1年間に960時間に規制されます。
そしてトラック運転者の改善基準告示の改正も予定されています。
1年間の拘束時間は改正前(年換算)3516時間から改正後は原則3300時間(最大3400時間)に、1か月の拘束時間は改正前(月換算)原則293時間(最大320時間)から原則284時間(最大310時間)となります。また1日の休憩時間は改正前継続8時間であったものが、改正後は継続11時間を基本とし、継続9時間が基本となります。なお、運行管理者や現場作業員、フォークリフトのオペレーター等は、上限規制後の労働時間は原則として月45時間、年360時間です。36協定において特別条項を結んでも、単月では100時間未満、複数月平均80時間以内、年720時間(休日労働含む)を超えて働かせてはなりません。これらの条件は、罰則付きで法律(労基法36条)に規定されています。なお、月45時間の労働時間を超過できる月は、年6回です。ただし、災害時や復旧事業など、特別な事情がある場合は例外となります。
また、すでに2023年から時間外労働が月間60時間を超えた場合、その割増率は25%から50%に引き上げられています。これによる人件費の高騰と採算性の悪化が懸念されており、労働時間の削減は喫緊の課題であると言えます。